【コラム】家入一真さんの「口座晒し祭」から学べる事(特に僕らアーティスト!)

twitterで話題になった家入一真さんの「口座晒し祭」。
ここから学べる事がたくさんあったと思います、特に僕らアーティストにとっては!
ミュージシャンにとってとても不利と思う「日本のチップ文化の欠如」とも類似するトピックで思い入れが強い一件だったので、ちょっと書いてみました。
『家入一真さんの口座晒し祭りが色々考えさせられる
 http://matome.naver.jp/odai/2137523823761629701

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 パート1 批判について
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まず批判について。批判してる人の多くは「何もせずにお金をもらおうなんて卑しい」という事だと思います。その人達は本質に気付いてないと思います。というのは、

1.本当に何もせずに口座を晒してるだけなら、絶対にお金はもらえない。
2.お金をもらえたとしたら、それは一見何もしてないように見えて何らかの共感(多くの場合は斬新な)を提供してるから。
3.お金の量はそれらの客観的評価に比例してる。

つまりお金をもらってる人はいたって正常な資本主義の性質にのっとった「ビジネス」に成功してるのであり、「口座晒し」は対価の受け皿(コンビニで言う所のレジ)を提示したという事に過ぎません。

本質は

1.「どんなツイートがピックアップされRTされ、結果的に共感を呼び入金対象になるか」という事を考えるプロデュース能力が試され、
2.その能力次第で【共感×受け皿(口座)=対価】という1つのシンプルかつ新しいビジネスが誕生した

という所にあると思います。

言わば1つのマイクロアートビジネスな訳であって、例えばtwitterのプロフに口座を晒し、日頃から共感できる語録や画像を投稿、フォロワーからの定期的な応援振込で食える人が現れたら、、、新しいプロアーティストの形の誕生にさえなります。

あと付け加えるとすれば、家入さんにとっては起業家の卵達へのトレーニングの一種なんだったと思います。そういった意味でも、非常に面白い社会実験だったと思います。

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 パート2 僕たちアーティストが学べる事
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そして前述の通り、特に僕らみたいなアーティストはここから学べる事が多いと思います。

1.共感を呼んでも「受け皿」を提示できなければ、対価はもらえない

ミュージシャンがチケットのマージンやCD/グッズ販売だけで生計を立てるのは非常にハードルが高いです。ましてや絵画・文章、その他形の無いのタイプのアーティストさんであれば尚更だと思います。
その大きな理由はそもそも日本には「チップ文化」が存在しないからです。共感して応援したくてもCDやグッズを買うぐらいしか方法がありません。でもお客さんに寄ってはもっともっと応援したいと思ってる方もたくさんいらっしゃるはずです。
でも日本人は「チップ」「投げ銭」という発送が基本的に【無い】のです。そこで「お気持ちで構いませんのでお願いします」と専用の入れ物(僕らはバケツを使ってます)を示して差し上げるだけで、1日の売上げは大幅に変わってきます。実際僕たち Sleepyhead Jaimie が今音楽で生計を立てられているのも「投げ銭」が無ければ不可能だったと思うぐらいです。
「口座晒し祭」で言えば、いくら面白いツイート・面白い試みをしていても、口座を晒さなければ応援のしようがありません。それと同じでどんなに素晴らしいアーティスト活動をしていても、こちらが提案する対価の受け皿が無ければ金銭が得られない、逆を返せば受け皿を提示する事で、初めてビジネスとして成り立つと言える事が言えます。

2.形の無いものにお金を乞う事を「卑しい・恥ずかしい」と思う必要は一切無い

「CD買ってください!」「チケット買ってください!」と、形のあるものに対しては威勢の良いミュージシャンも、ストリートやフリーライブでのチップ/投げ銭に関しては消極的どころか、受け皿さえ持ってない人がほとんどだと思います。
でも前述の通り、特に無所属などで運営してるミュージシャンは、収入の受け皿は藁にすがってでも増やさなければいけないのが現状です。そして同上、日本にチップ文化が無いので応援したくても仕方が解らずウズウズしてるお客さん、お金を渡したいけれど渡していいものか迷ってる方すらいるかもしれません。
チップ/投げ銭を乞いいただく事は、決して卑しい・恥ずかしい事ではありません。その理由はパート1でも書いたように「価値の無いものだったらお金なんてもらえないから(笑)」というシンプルな理由です。「口座晒し祭」でもほとんどの人が入金してもらえるどころか、家入さんに晒してもらいすらできずに終ったと思います。つまりその人の”アート”には価値が見出されなかったのです。
胸を張ってアート(ライブなど)を提供して、結果的に共感を得ているという自身があれば、「良かったら対価をください」という事に何の卑しさや恥ずかしさがあるのでしょう?

これに近い事については以前のコラム『”売れてない”アーティストでも、ギャラがもらえるようになる簡単な方法』で書きましたのでぜひ読んでみてください!

【コラム】「売れてない」アーティストでも、ギャラがもらえるようになる簡単な方法

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Sleepyhead Jaimie すわだいすけ
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アーティスト名 Sleepyhead Jaimie
アルバム名 Hamburger Diaries
品番 ATSP-1003 価格 ¥2,000

“【コラム】家入一真さんの「口座晒し祭」から学べる事(特に僕らアーティスト!)” への5件の返信

  1. 毎回、わかりやすく、軟らかい文章で読みやすいく、そこに経験が加わるので、文章の内容のイメージが湧きやすいです。おいらにはこういう文章は書けません。

  2. カプリコさん
    いえいえ、駄文をいつもお読みいただき感謝です!

  3. 私はただの音楽ファンですが、常日頃から、好きなアーティストには投げ銭(というか、直接ご本人の生活や音楽活動の足しになるようなお金の使い方)をしたいと思っています。アーティストのみなさんは、投げ銭を乞うことが恥ずかしいとか思わないで、どんどんやってほしいです。http://www.izonn.com/ とかの投げ銭システムは注目してます。

  4. 謳歌さん、ネリーさん、コメントありがとうございます!これからも書いて行くのでよろしくお願いします。

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